高血圧症について
高血圧は、文字通り血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されている状態です。
人の血圧は自律神経等によって調整されており、刻一刻と変化しています。
朝、緊張している時やストレスがかかっている時には血圧が上がりますし、夜リラックスしている時には、低くなります。
ですから、一度血圧を測って高かったからと言って、必ずしも問題とは言えません。
しかし、血圧の高い状態が継続して高血圧症になると、全身の様々な血管が痛んでいきます。
自覚症状はなかなか見られないのですが、放置していると動脈硬化などが進行し、心筋梗塞や脳卒中、腎臓病などのリスクが強まります。
心臓にも負担がかかります
血液を全身に送り出すのは心臓なので、高血圧になると心臓の負担も重くなります。
高い圧力で送り出さざるを得ず、心臓が多くのエネルギーを必要とし、疲弊しやすくなるのです。
すなわち、高血圧は血管や心臓に負担がかかり続け、心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気を招いたり、脳出血、脳梗塞の原因になったりします。
高血圧そのものは無症状のことが多いので、医療機関を受診せずに放置されている患者様もいらっしゃるようですが、日々の血圧測定や健康診断などを通じて早期に発見し、早めに対策を打つことが大切です。
高血圧のリスク因子
- カロリー摂取オーバー(食べ過ぎ)
- 塩分の摂り過ぎ
- 野菜や果物の摂取不足
- 肥満
- お酒の飲みすぎ
- 精神的ストレス
- 運動不足
- 喫煙
高血圧の治療
まず行うべきは、上記のような高血圧のリスク因子を知ったうえで生活習慣を見直すことです。
肥満傾向の方は適正な体重に近づけて下さい。適度な運動を継続的に行い、減塩に努めることも効果があります。
但し、食事の見直しなどで十分な効果が得られないときは、お薬を用いた治療を始めます。
なお、一度薬を飲み始めたら、一生やめられないと思っている方が少なくないようです。
しかし、食事・運動療法の継続により症状が改善されてくれば、薬の量を減らしたり、やめたりすることも可能です。
一度降圧薬を服用し始めたら飲み続けなくてはいけないと考えるのではなく、薬がやめられるように日頃から生活習慣の改善を心がけ、それを継続することが大切なのです。